2013/10/21
刀鍛冶 源清麿 の弟子 鬼麿 が、死んだ師匠が遺した粗悪品の刀を折る旅を追っていく話。幕末動乱の少し手前、実在した源清麿という刀鍛冶の足跡を題材に、その弟子を通した伝奇物語になっています。
主人公は山窩という山の民に育てられました。この物語でも、これまで読んできた作品全てに共通する、自由の民をテーマにしています。規律に縛られまくっていると思っていた江戸時代に、そんな自由に生きる人々はすごく魅力的な題材です。学校では士農工商しか教えてもらってないですし。
一話完結型の8話構成の短編で、世界観を掴んだあとは、あっという間に物語に引き込まれて読み切ってしまいました。続きが気になってしようがない。どこで死んでも後悔しないという生き方をしていた鬼麿が、最終的に刀鍛冶としての目標を見つけ、死なない、生きていくという生き方に変化するのですが、ひとつの道を突き詰めて、大きな目標を見つけることができれば、それからの人生は素晴らしく光り輝くものになっていくんだということを言われている気がしました。
そんな目標を見つけたい、そのためには、もっと今進んでいる道に真剣に向かい合わないといけないと、自分に言い聞かせています。一瞬本気で刀鍛冶を目指そうかと血迷った瞬間もあったほど(笑)。それほど魅力的に描かれていました。
しかし主人公強すぎ。尋常ではない腕力と長年の訓練で大太刀を振り回し、一撃必殺でどんどん敵を斬っていきます。痛快時代劇を観ている気分になりました。テレビドラマとかで1クールの時代劇として作ってくれないですかね。
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タグ: 隆慶一郎
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